新聞の影響力って凄いな、と思わされました。久しぶりに古い悪い友人からコメントが入っています…ありがとう。
ただ実は、ちょっと間違ってああなったんだよ、という話です。
数年前に僕の事務所は、長者になれない わらしべ の交換を始めてしまったらしいのです。山林、という分野で。
最初のわらしべ①は『認知症の婆様が相続で押しつけられた山林の現地調査』この素敵な仕事をお受けして伊豆半島の先っぽで藪に阻まれたり役場で取った地籍図の南北が逆さまだったりしたことを、ブログに書きました。
それを、いま寄稿している団体の編集者さんが読んでいたのです。
わらしべ①から始まるディール、というより仕事の完了とその影響の相互作用が加速しだしたのは2年前からです。山林の相続・登記に関して
②上記の雑誌から取材を受ける→③同じ発行元の別の雑誌に三ヶ月に一回の連載をもらう→④著書を執筆する→⑤著書の一部が別の出版社のウェブサイトに転載される、というところまで来たのが昨年11月までの状況。
すごく贅沢なのを自覚しているのですが、僕から誰かに何か頼んだわけではありません。ミッションnをこなしたら何ヶ月かあとにミッションn+1が降ってくる、という感じで。
まさにそんな感じで、今年10月末。東京にある新聞社の記者さんから取材協力の依頼が入ったのです。
その方の、当事務所ウェブサイトへのアクセス履歴を見ていると、上記⑤からつながっている=著書が転載されたウェブサイトからのリンクを踏んで来られていたことがわかりました。11月中旬の東京出張ではその記者さんの勤務先に近い、有楽町に寄ってきました。
まぁこれが記事になっても東京圏の新聞なんだから、よっぽど不運なことがないかぎり本県業界団体のお偉いさんの目に留まることなどあるまい、ということで今取り組んでいる、共有林の相続登記本人申請支援のお話などをさせていただいたのです。
相続登記なんて自分でできるならやりゃいいんだ、評価額4千円の共有持分全部移転登記に司法書士報酬5万円払えなんて言われたら馬鹿らしいじゃないか、という話を、優しく丁寧に(笑)
で、取材終了後。
せっかくだから掲載誌を送ってほしいとお願いした僕に、記者さんが言うのです。
今回の記事は 東京新聞 だけでなく、愛知県内で読める新聞にも掲載されます(ので当然、僕の手が届くところにいくらでも流通しているはずです)と!
最初から愛知県内で取材を受けていれば、もう少し無難な語り口に徹し登記は本人でできるなどとは決して口にせず、最後にお決まりの『ご相談は司法書士へ』とかいう適当なポジショントークで締めたことでしょうよ。
ご同業の先生方には、あまり怒らないでください。この業界を離れてみれば、ちょっといい話がありました。
この取材は生活部の記者さんによってなされた(言い換えると、法律にも山林にもあまり多くは関わらない人が取材した)のですが、取材を巡るやりとりの終わりに『(これまで取材してきた)相続についてはなんだか暗い話ばかりだったが、初めて希望を持てる話を聞いた』と言うのです。
そういう印象を与えようとしゃべったつもりは全くありません。むしろあなたのその反応が僕にはニュースだ、と言いたい(笑)
説明の趣旨として、相続未登記問題の一つの影響が山主への意向調査や集約化施業の提案が届かないことにも及んでいること、不在地主の方々にはそれらに主体的に対応することで、補助金の支給を受けて=費用負担を抑えて山林を管理できる可能性が徐々に出てきていることはお話ししたのです。それを好意的に解釈していただいたのかもしれません。
もの凄い補助金突っ込んでようやくそんなふうにできてるんだけどさ、という身もふたもない説明も、当然したのですが。
いくつかの間違いはありましたが、ひょっとしたら好意的に関わってもらえるかもしれない紙媒体の中の人と、もう一人知り合えたのかもしれません。これ自体は間違いなく、いいはなしです。
この取材協力⑥が次に何につながるかは、想像もできません。